「極端な時間帯に早寝早起きをしてしまう「睡眠相前進症候群」とは?」では、朝起きる時間と夜眠くなる時間が極端に早くなってしまう概日リズム障害についてお話ししました。
それでは、今回はその逆の症状である「睡眠相後退症候群(すいみん そうこうたい しょうこうぐん)」について、詳しく解説していきますね^^
「睡眠相後退症候群(DSPS)」とは?
冒頭でも触れたとおり、「睡眠相前進症候群(ASPS)」とは全くの逆の症状で、毎日の就寝時間が遅い時間帯で持続して固定化されてしまう病気を「睡眠相後退症候群(以下、「DSPS」)」と呼びます。
いわゆる「昼夜逆転生活」になってしまう症状ですね。
例えば、仕事や学校が長期間のお休みに入ったときに、
- 夜遊びや夜更かしをしていたら生活リズムが狂ってしまい、夜布団に入っても3~4時または明け方になるまでなかなか寝つくことができない……。
- 朝目覚ましをかけても起きることができずに、布団から出るのは昼過ぎや夕方になってしまう……。
なんてことをあなたも経験したことはないでしょうか?
きっと沢山の人たちが(特に若い頃に)経験したことがあると思います。
ですが、大抵の人たちはお休みの期間が終われば、また元の生活リズムを取り戻していつもどおりの規則的な生活を取り戻すことができます。
しかし、このDSPSの人は長期間のお休みの中での夜遊びによる「遅寝遅起き」や、受験勉強のための夜更かしなどの生活を続けた結果、生活リズムがそれに固定化されてしまい、お休みの期間が終わっても元の生活リズムを取り戻すことができなくなってしまうのです。
不眠症ではなく「過眠症」に近い病気
上記のとおり、DSPSの人は生活リズムが狂ってしまった結果として、眠りに就く時間帯が遅くなりますが、実は一旦寝つくことができれば、グッスリ眠ることができます。
そのため、睡眠がとれていないわけではないので、不眠症というわけではありません。(「夜眠れない」という意味で見れば「不眠症」とも言えるかもしれませんが)
むしろ、この病気の人は、睡眠時間が長い人が多いので突然眠りに落ちてしまうことはありませんが、どちらかというと「過眠症に近い」病気であると考えれています。
そして、DSPSを発症してしまうと眠りに就く時間が遅いため、起きる時間が昼過ぎや夕方だったり、しかも、それが数ヶ月~数年単位で続くことが多くなります。
そのため、普通の社会生活を送るにはかなりの支障をきたしてしまうのが問題です。
この病気を発症した場合、特に深刻な問題として挙げられるのは、朝起きれなくなって日中の仕事に行けなってしまうことです。
また、その他にも様々な場面で支障が出てきてしまいます。
例えば、(特に若い人の場合)
- 学生であれば、登校時間までに起きることができないので、そのまま不登校となってしまう……。
- 入試のためにせっかく長い期間頑張って勉強をしてきたのに、当日になって起きることができず、「欠席」扱いとなって志望校を逃してしまう……。
- その他にも、翌日に午前中からデートの約束があるのに待ち合わせ時間までに起きることができず、恋人をいつまでも待たせてしまって怒らせてしまう……。
なんてことも、起こりえます。
そのため、DSPSの人は、いくら本人に強い意志があったとしても、朝起きる自信がないので、上記のように朝から予定がある場合には、徹夜をして翌日に備えることも少なくありません。
また、頑張って朝の早い時間に起きたとしても「ダルイ」、「食欲がない」、「ヤル気が出ない」、「集中できない」、「眠い」などの症状が出るため、当然、日中のパフォーマンスは落ちてしまいます。
ですが、上記のような症状は午前中だけのことが多く、昼過ぎにはそれがなくなって、夕方になると逆に調子が良くなることが多いようです。
「遅寝遅起き」になってしまうのはなぜ?
DSPSになる人は全体的に比較的若い世代に多く、特に10代の思春期~20代の青年期に発症しやすいと言われています。
この背景には、「若い人たちは夜に活動することが多い」ということに関係があると考えれていますが、それではなぜ、眠くなるのが極端に遅くなって、起きる時間が昼過ぎや夕方になってしまうのでしょう??
DSPSを発症する原因としては、以下の要因があると考えられています。
- 夜遊びや受験勉強などで夜更かしをしながら昼夜逆転の生活を繰り返している。
- 部屋の窓やカーテンを閉め切って、外からの光が入らないようにし、引き籠った生活を続けている。
- そもそも、体内時計そのものが故障していたり、体内時計を調整する働きに不具合が生じている。
これらに共通していることは、普段の睡眠時間が長いことが多く、目覚めたときに体内時計をリセットするときに必要となる、朝日の光を十分に浴びれていないことです。
なお、DSPSでは「PER3」という時計遺伝子に変異があることも確認されています。
また、健康な人であっても、長期の休みの中で生活リズムが多少ズレることはありますが、休みが明ければすぐに元の生活リズムを取り戻すことができます。
ですが、DSPSを発症してしまった人の場合、睡眠をとる時間帯が遅れたままになってしまっているため、休みが明けても睡眠と覚醒のリズムを取り戻すことができなくなってしまうのです。
対策のカギを握るのは「光」と「メラトニン」
DSPSを発症してお医者さんに診てもらう場合には、「睡眠相前進症候群(ASPS)」と同様、「高照度光療法」や「メラトニン療法」などを組み合わせて治療するのが一般的な治療法です。
なお、「極端な時間帯に早寝早起きをしてしまう「睡眠相前進症候群」とは?」でもお伝えしたとおり、「睡眠相前進症候群(ASPS)」は普段の就寝前に強い光を浴びて体内時計を遅らせます。
それに対し、DSPSの場合は朝に強い光を浴びて体内時計をリセットさせながら、生活サイクルを改善し、『睡眠ホルモン』と呼ばれる「メラトニン」を服用して体内時計の調子を整えます。
上記の方法の場合、家族と一緒に住んでいる人なら朝になったら家族に協力してもらいながら起こしてもらえれば、比較的容易に朝日の光を浴びることができます。
ですが、一人暮らしであった場合は簡単ではありません。
夜寝るとき、大体の人がカーテンを閉めて眠ると思います。
ですが、高照度光療法の場合、朝になったら朝日の光を浴びるために、まずはカーテンを開ける作業から始めなければいけません。
しかも、朝日の光を浴びられる時間帯に起きられる保証はありませんよね。(そもそも朝起きられなくて悩んでいるのですから……)
また、住んでいる部屋自体が日当たりの悪い部屋だった場合には、元も子もないですよね。
そういうときには「光目覚まし時計inti(インティ)」というアイテムが役に立ちます。
このinti(インティ)は最大20,000ルクスの強い光を発することができるため、朝日の光と同等以上の強さの光を浴びることができます。(朝日の光=10,000ルクス)
つまり、朝日の光を浴びることができる時間帯に起きられる自信がない人でも、指定の時間をセットして枕元にinti(インティ)を備えておくだけで、朝の目覚めをスムーズにし、体内時計のリセットもしやすくしてくれるのですね^^
また、inti(インティ)は、音ではなく「光」を使って起こしてくれるので、音タイプの目覚ましとは違って、ご近所トラブルも心配することなく使うことができます^^
もちろん、お医者さんに診てもらいながら適切な指導を受けた上で、治療を進めるのが最善の策です。
ですが、高照度光療法は朝の目覚めで朝日の光を浴びることが前提となっているので、朝起きる自信がない人ならinti(インティ)は重宝できるアイテムだと思います^^
また、inti(インティ)があれば、朝日の光を浴びるためにいちいちカーテンを開けに行くといったことをしなくて済むし、日当たりが悪い部屋であっても安心して使うことができますね♪
スポンサーリンク 「光目覚まし時計inti(インティ)」公式サイトはこちら
【↓メラトニン配合の不眠サプリ↓】
まとめ
それでは、今回の記事は以上となりますが、次回のページでは「非24時間睡眠覚醒症候群」について詳しくお話ししていきますね^^
最後までご購読いただきありがとうございました。