海外旅行などによって起こる「時差ボケ」のメカニズムと対策

海外旅行などによって起こる「時差ボケ」のメカニズムと対策

「時差ボケ」と言えば、海外旅行に行ったことがある人なら誰もが体験したことがあると思います。

ですが、この「時差ボケ」というのはどのようなしくみで引き起こされるのでしょう??

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時差ボケによる概日リズム障害とは?

時差ボケは時差の大きい場所へ海外旅行をした際に引き起こされる概日リズム障害ですが、医学的には「時差障害」と呼ばれ、その症状は以下の基準に基づいて診断がされます。

■「時差障害」の診断基準

  • ジェット機に乗って、少なくとも3時間以上の時差がある場所へ旅行したときに、不眠や過眠を自覚する。
  • 旅行後、1~2日以内に、昼間の精神的あるいは肉体的な機能が落ちたり、全身がだるくなったり、胃腸障害などの体の症状が出たりする。
  • その睡眠は、ほかの睡眠障害や内科あるいは精神科の病気、薬物の使用などでは上手く説明できない。

(「不眠症の科学:坪田 聡(サイエンス・アイ新書)」より引用)

時差ボケで見られる症状で最も多いのは、もちろん睡眠障害ですが、パイロットを対象にした調査では実に67%の人たちが睡眠障害を訴えていたようです。

また、10人に1人以上の割合で日中に眠気があったり、知的な作業の効率が低下したり、疲労感、食欲の低下が見られたようです。

上記の他、時差ボケではボンヤリする、頭が重い、胃腸障害、目の疲れ、吐き気、イライラ感などの症状が引き起こされます。

時差ボケは英語で「Jet Lag(=ジェット機による遅れ)」と呼ばれているとおり、ジェット機で世界中を旅行できるようになってからの比較的新しい症状なので、実はジェット機ができるまでは「時差ボケ」というものはありませんでした。

逆に考えるなら、鉄道や船で移動をすれば、時差がある場所へ行っても時差ボケにはなりにくいということですね。

時差ボケが起こる原因

それでは、なぜジェット機で時差がある場所へ行くと、時差ボケになってしまうのでしょう??

その原因は、時差がある場所へ高速度で移動をすると、元々持っている体内時計と現地の生活時間に“ズレ”が生じてしまうからです。

これを「外的脱同調(がいてき だつどうちょう)」と呼びます。

さらに、体内時計がコントロールしている体温やホルモンの分泌、睡眠や覚醒のリズムが、それぞれバラバラになってしまうことで症状が悪化してしまうのです。

これを「内的脱同調(ないてき だつどうちょう)」と呼びます。

つまり、スマホやPCで例えるなら、周辺機器との互換が上手く行われていないということですね。

なお、時差ボケの症状が一番強く出るのは現地に着いた直後であると思われるかもしれませんが、実は現地に着いてから2~3日後が一番つらいことがあります。

それは、外的脱同調の場合、到着直後が最もひどくて時間の経過によって解消されるのですが、内的脱同調の場合は、到着後2~3日後に症状が一番強く出るためです。

【関連ページ】

時差ボケの症状に影響を受けやすい4つのタイプや条件

時差ボケの影響を受けやすいタイプや条件としては、以下のものが知られています。

早寝早起きをしている朝型の人

普段、早寝早起きをしている人でパフォーマンスのピークが午前中に訪れる「朝型の人」は、夕方にピークが来る「夜型の人」よりも、時差ボケの症状が出やすいと言われています。

その理由は、朝方の人の体内時計は生活リズムの変化に順応しにくいからと考えられています。

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中高年の人

中高年者は、若い人に比べると時差ボケの影響によって、睡眠障害や日中の眠気、疲労感が強くなるため、睡眠の質が落ちてしまいます。

また、加齢に伴い、時差ボケからの回復も遅くなります。

【関連ページ】

神経質で内向的な人

神経質で内向的な人やデリケートで傷付きやすい人は、時差ボケに影響されやすく回復にも時間がかかります。

その理由は、内向的な人は外交的な人に比べ、社会的同調因子が少なくなるため、症状が長く続きやすいと考えられています。

ただ、人との会話や遊びを楽しんだり、仕事などの何かしらの活動を行うことで生体時計の調整が早く進むと言われています。

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東行き(アメリカ方面)フライト

日本から見て、ハワイやアメリカ方面へ向かうことを「東行きフライト」、ヨーロッパ方面へ向かうことを「西行きフライト」と言います。

また、一般的に時差ボケの影響が強く出やすいのは「東行きフライト」と言われていますが、それはなぜでしょうか??

その理由は、東行きフライトの方が同期に必要となる滞在期間が長いからです。

ちなみに、体内時計が調整できる幅は「東行きで1日につき1時間まで」、「西行きで1日につき1.5時間まで」と言われていますが、この調整幅に基づいて同期に必要な滞在期間をそれぞれ計算してみますね。

例えば、東行きフライトで16時間の時差があるロサンゼルス(夏時間)へ行った場合、体内時計の調整幅は1時間なので、以下の計算式に基づいて、同期に必要な滞在期間を単純に計算すれば「16日間」となります。

計算式)
同期に必要な滞在期間 = 時差 ÷ 調整幅

逆に、西行きフライトで8時間の時差があるロンドン(夏時間)へ行った場合、体内時計の調整幅は1.5時間なので、上記の計算式に基づいて、同期に必要な滞在期間を単純に計算すれば「5~6日間」となります。

つまり、東行きフライトの場合、時差が大きいことに加え、体内時計の調整幅が西行きに比べて小さく、同期するのに時間がかかるために、時差ボケの影響が強く出やすいのですね。

ただし、上記で出した同期に必要な滞在期間は、あくまでも単純計算によって出した結果なので、人によって個人差などがあること、予めご周知ください。

ちなみに南北方向への時差のない場所への移動の場合には、時差ボケはないと言われています。

【関連ページ】

時差ボケへの対策

何ヶ月も前から海外旅行の計画をして、当日をずっと楽しみにしながら待ち望んでいたのに、現地に着いてから時差ボケで体調を崩してしまったら、せっかくの海外旅行が台無しになってしまいますよね(泣)

それでは、現地に着いてから時差ボケをできる限り避けるためには、どうすれば良いのでしょう??

時差ボケの対策としては、一般的には以下の方法があります。

光を利用して体内時計を調整する

例えば、西行きフライトで8時間の時差があるロンドンへ行く場合には、現地時間での起床(朝7~9時頃)から8時間くらいは、できるだけ太陽光に当たるようにしておきます。

そうすることによって、日本時間で見た場合、15~23時の間は光に当たっていることになるので、その分、体内時計を遅らせることができます。

つまり、この遅れを利用して、体内時計をロンドンの時間に同期させるのですね。

ロンドン時間との同期のイメージ:体内時計を遅らせることで現地の時間に同期させる。

【ロンドン時間との同期のイメージ】

【関連ページ】

逆に、東行きフライトで16時間の時差があるロサンゼルスへ行く場合には、現地時間での起床(朝7~9時頃)からお昼の12時くらいまでは、サングラスをかけながら太陽光には当たらないようにして、それ以降になったらできるだけ太陽光に当たるようにしておきます。

そうすることによって、日本時間で見た場合、朝の4時から太陽光に当たっていることになるので、その分、体内時計を進ませることができます。

つまり、体内時計を進ませることによって、ロスの時間に同期させるのですね。

ロス時間との同期のイメージ:体内時計を進ませることで現地の時間に同期させる。

【ロス時間との同期のイメージ】

【関連ページ】

食事によって「腹時計」をリセットする

これまで何度もしつこく体内時計は光でリセットされると言い続けてきましたが、実は人が持つ時計機能をリセットする方法は、光だけではなく食事によってもリセットが可能です。

人は毎日決まった時間にご飯を食べていると、その時間が近づくにつれてだんだんお腹が空いてきますが、このリズムのことを「食餌同期性リズム(しょくじ どうきせい りずむ)」と呼びます。

いわゆる「腹時計」と呼ばれるもので、この食事リズムを利用して時差ボケをコントロールするのです。

この腹時計は、光によってリセットされる体内時計とはまた異なった脳内時計の一つで、しかも、体内時計よりも優先的に体をコントロールする力があります。

例えば、この作用を利用しながらロスに行く場合、現地に着いて最初に摂る朝食の時間から遡って12~16時間前は何も食べないでおきます。

そして、現地に着いたらすぐに朝食を摂ります。

こうすることによって、現地に着いてから最初に摂る朝食が腹時計のスタートになるので、同期もスムーズになりやすくなるという考え方です。

上記の例の場合、ロスの到着時間を朝にしておくこともポイントですね。

ただ、この方法だと機内食が必然的に“おあずけ”となってしまいますが……。

【関連ページ】

短期滞在なら日中はサングラスで対策する方が良い?

時差ボケ対策をして体内時計を現地に同期させたとしても、注意しておかないといけないのが、帰国したときにはまた日本の時間に合わせないといけないのがツライところですね。

せっかく現地に体内時計を同期させたのに、また体内時計を元に戻さないといけないなんて正直、二度手間になってしまいますよね。

なので、短期で海外に行く場合には、現地とはあえて同期させずにいた方が都合が良い場合もあります。

そのため、現地にいる間は日中にサングラスをかけて日本のリズムを維持しておくという考え方もあります。

そうすることによって、日本に帰ってからの仕事をスムーズに再開することができるので、2~3日程度の短期滞在であればこの方法もおすすめです。

クライアントを対応する場合には、さすがに外す必要がありますが。(笑)

まとめ

このように、時差ボケというものは、その人が元々持つリズムが狂うことによって起こるものです。

対策方法は上記でご紹介した方法以外にも色々とありますが、常に現地の生活リズムに合わせる必要はないので、その時その時の滞在期間などによって、調整した方が良いかもしれませんね。

それでは、今回は以上となりますが、次回のページではシフトワークによって起こる「交代勤務制障害」について詳しくお話ししますね^^

最後までご購読いただきありがとうございました。


【次のページはこちら】

あなたは、シフトワーカーは実は常に「時差ボケ」状態であることをご存知でしょうか? そのメカニズムはどうなっているのでしょうか? このペー...
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