「ビジネスパーソンの多くが「過緊張」によって不眠症に悩まされている」では、過緊張によって不眠症を抱えるビジネスパーソンが増えていることをお伝えしました。
それではなぜ、人は過緊張を引き起こしてしまうのでしょうか?
今回のページでは過緊張になりやすい人のタイプをご紹介します。
完璧主義の人ほど過緊張になりやすい
過緊張になってしまう原因として考えられるものは、例えば、以下のような「頑張りすぎ」があります。
- 受注した依頼を納期や期限までに絶対に間に合わせなければいけない。
- 量を沢山こなすだけでなく、完璧なクオリティで納品しなければいけない。
- 周囲の人に頼って協力してもらったり、部下に任せることはせず、自分の力だけで全て成し遂げようとする。
上記のような真面目で完璧主義の気質を持つ人が日本人には特に多く、仕事をはじめ、私生活においても色々と無理を重ねてしまいます。
そして、自分の体や心の疲れを抑えつけて、自分が設定した「完璧なゴール」を達成するまで頑張り続けてしまうのです。
このような性質を医学的には「執着気質」と呼びます。
このタイプの人はいわゆる“デキる人”に多く、何でもかんでも自分でこなそうとするのが特徴です。
よくありがちなのが「人に仕事を教えるのがメンドクサイ」、「人に頼むより自分でやった方が早く終わる」、「このクオリティは自分がやらないと出せない」など、周囲の人に頼るべき仕事、部下に任せるべき仕事を巻き取ってしまうなどです。
また、このタイプの人は受けた仕事に対して自ら完璧なクオリティを求めるので、頼まれたこと以上にプラスアルファの仕事を作り出し、さらに自分で自分を追い込んでしまいます。
これが仕事中だけならまだ良いのですが、家庭を持つ人の場合は仕事だけではなく、家事や子育てなども専業主婦(夫)並みに完璧にキチンとやり遂げようと頑張ります。(特に女性に多い)
その結果、ほっと息抜きをしたり食事をゆっくりと楽しんだり、家族で楽しく団らんをするといった交感神経を緩めるための「リラックスモード」の時間がどんどん削られていき、焦ってくると脳と体を休ませるための睡眠時間も削ってしまいます。
このように、交感神経の緊張した状態がずっと続いてしまうと、自律神経のバランスが崩れて過緊張に陥ってしまうのです。
「『NO!』が言えない」人も過緊張になりやすい
過緊張に陥ってしまう原因としては、完璧主義以外にも「人のために頑張りすぎる」パターンもあり、例えば、以下のようなものがあります。
- 上司やクライアントからの期待に応えるため、明らかにキャパを越えている無理な要求をされても全て引き受けてしまう。
- 会社の方針や上司からの命令が間違っているとわかっていても、それを指摘したら自分の立場が危うくなったり、盛り上がっている周囲の雰囲気を壊してしまうので「空気を読んで」自分の気持ちを抑え込む。
- 同僚からの飲み会やクライアントの接待に誘われると断れない。(本当は行きたくない)
上記のような人も日本人には多く、自分よりも周囲の人の気持ちや要望を優先して応えようと、「人のために頑張りすぎ」てしまいます。
いわゆる「『NO!』が言えない」タイプですね。
このタイプで特に多いのが「良い人」、「優しい人」、「ノリがイイヤツ」と言われる人たちで、医学的には「メランコリー親和型気質」と呼ばれます。
周りからの評判や評価を過剰に気にしすぎていたり、人に嫌われたくないといった気持ちが強いタイプですね。
こうした人たちも心や体をリラックスさせるための時間を削り、周囲の人たちのために頑張りすぎてしまうので緊張状態をほぐすことがなかなかできません。
また、自分の気持ちを押し殺してしまうので、精神的なストレスがたまりやすく、自律神経のバランスが崩れて過緊張に陥ってしまうのです。
その他の過緊張になりやすい要因
以下のような場合も、過緊張を引き起こす要因となります。
- 寝る前にスマホやネット、ゲームを行う。
- 月に80時間以上の残業を行った。
- 月に45時間以上の残業が連続して何ヶ月も続いている。
- 今までに経験のしたことのない責任のある仕事を自分が中心となって進めている。
- 仕事の繁忙期に加え、結婚、出産、引っ越し、子供の進学などのイベントが重なる。
- 新しい部署への異動や転職など、仕事において自分の置かれている環境に大きな変化があり、気疲れすることがあった。
- 気の合わない上司や、殺伐とした雰囲気の悪い環境の職場で長時間働いている。
頑張るのは良いけれど「適当」になることも大事
上記のように「頑張りすぎる人」は、真面目で勤勉であることを“美徳”とし、「人の和」を大事にするように教育を受けてきた日本人には特に多くいます。
「空気を読む」なんていう技術(?)があるのも、日本人の特徴の一つとも言えるでしょうし、あなたもきっと上記のような要素をお持ちではないでしょうか。
仕事を完璧にこなしたり、人の役に立つために頑張るのは尊敬すべきことだと思います。
ですが、それがいきすぎたせいで睡眠がおろそかになり、体を壊してしまっては元も子もありません。
そのため、全てを完璧にこなす必要はなく、むしろある程度の「適当さ」を身に付けることもハッピーな人生を送るためには必要な“技術”であると私は考えています。
なぜなら、広い視野で見てみると「完璧」に仕上げなければいけないのは、ほんのごく一部でしかなく、ほとんどの場合が「適当」に行っても処理できるものだからです。
例えば、人命に関わるような局面、お金が動くとき、重要書類を作成するとき、クライアントと契約を交わすとき、セキュリティに関わるもの、後輩や部下に仕事を教えるときなど、責任の度合いが強くて優先度が高い仕事に関しては誰が見ても完璧に仕上げる。
逆に、既にマニュアルが用意されている作業、いつ誰がやっても同じ結果になる作業、ルーティーンワークなどの「作業的要素」の強い仕事に関しては適当にそつなくこなす、または人に任せる。
「適当」という言葉を出すと「手抜き」、「いいかげん」、「チャラい」、「雑」といった悪いイメージを持ってしまう人が大半だと思いますが、私はそうは思いません。
なぜなら、そもそも「適当」という言葉の本来の使い方としては、漢字を見てもわかるとおり「物事に適したものを当てはめる」というときに使う言葉だからです。
学校や資格試験などの選択問題でも「下記の中から“適当”なものを選びなさい」といった問題がよく出てましたよね?
つまり、「適当」というのは「その時にふさわしい方法で上手く対応する」ということなので、本来の意味としては、世間一般で知られているものとは全く違うものなのですね。
「そんなのヘリクツだ!!」と思われるかもしれませんが、根拠もなくそう反論する方がヘリクツだと思いますし、「適当=手抜き」が既に定着しているのも、なんだかなぁ……と個人的には思います。
また、「体は資本」とはよく言いますが、資本を作るための体を作っているのは健康であり、その土台となっているのは睡眠です。
だからこそ、睡眠をもっともっと大切にする意識を持つ必要があるのです。
それでも「私は全てにおいて完璧でありたい」、「今さら自分の性格を変えるなんて難しい」という場合には、まずは「良質な睡眠をとること」を仕事としてとらえ、完璧にこなしてみてはいかがでしょう?
そして、周囲の人たちにもしっかりと休んでもらって、翌日にはしっかりと働いてもらう。
それが結果として、あなただけではなく周囲の人たちもハッピーな人生を送ることができると想像してみたら、なんだかワクワクしてきませんか?
自分が休むのも人を休ませるのも「仕事の内」ですからね^^
まとめ
以上のとおり、今回はビジネスパーソンが過緊張に陥りやすい場面や性格についてお話ししました。
人が何かを完璧に仕上げるには、それだけの理由や目的があるはずです。
逆にもし、その理由や目的がないのであれば、時間をかけて神経をすり減らしてまで完璧に仕上げる必要はないと個人的には考えています。
なぜなら、私たちが目指すべき最終的なゴールは、何でもかんでも完璧に仕上げることではなくハッピーな人生を送ることだからです。
つまり、完璧に仕上げるのも適当に処理するのも、あくまでも“手段”でしかないのですね。
例えば、私はこのサイトの制作にあたっては完璧に仕上げることを目標としています。
その理由と目的は、読者様に少しでも睡眠の大切さを伝え、沢山の人たちにハッピーな人生を送っていただきたいからです。
それでは、今回は以上となりますが、次回のページでは「睡眠を積極的にとりたい4つの理由」についてお話ししますね^^
最後までご購読いただきありがとうございました。