これまで、不眠症やうつ病に対して効果的とされる各栄養素の働きについて、色々とお話ししてきました。
それでは、これらの栄養素は、どのようにして活用していけば良いのでしょう??
このページでは、各栄養素の効果的な摂り方や摂取時の注意点などについてお話ししますね^^
このページの目次
科学的にも効果が期待されている栄養素たち
科学的根拠に基づいて効果が期待されている栄養素の中でも、特に注目されているのが、次の3つの栄養素です。
・不飽和脂肪酸(EPA・DHA)
・トリプトファン
・葉酸を中心としたビタミンB群
それでは以下では、それぞれの効果的な摂取方法や注意点などを改めてご紹介していきますね^^
青魚に豊富に含まれる不飽和脂肪酸(EPA・DHA)
青魚には、EPA・DHAといった不飽和脂肪酸が豊富に含まれているため、良質な脂質を摂るにはとても有効な食材です。
ですが、実は「エネルギー(カロリー)が白身魚の3~4倍高い」、「酸化されやすい」などの欠点もあります。
そのため、青魚を食べる際には総エネルギーにも配慮した上で、以下のような工夫が必要です。
・ご飯やパンなどの主食(炭水化物)をいつもより控えめにする。
・副菜は低カロリー(海藻やコンニャクなど)のメニューにする。
また、「酸化されやすい」という欠点を補うため、以下のような抗酸化作用の強い食品と一緒に摂ることも重要です。
■ビタミンA(緑黄色野菜など)
副菜としてサラダなどの緑黄色野菜を加えるなど。
■ビタミンC(新鮮な野菜やフルーツ)
焼き魚には大根おろしを添えて一緒に食べたり、お刺身に付いているツマ(大根)や大葉も残さずに食べたりなど。
■ファイトケミカル
「ファイトケミカル」とは、野菜やフルーツに含まれる色素や苦味成分のことです。
食事の際には、赤・緑・黄・橙・黒・白などの様々な色の野菜やフルーツを、一緒に摂るように意識しましょう!
「セロトニン」の材料となるトリプトファン
食品などからトリプトファンを摂取する際には、競合するアミノ酸を骨格筋に取り込ませるため、以下の2点を意識して摂りましょう。
・炭水化物を一緒に摂る。
・運動する。
葉酸を中心としたビタミンB群
水で洗ったり火を通すと、栄養素の損失が大きい食材(野菜など)を調理する際には、以下の点に注意すると、葉酸などのビタミンB群の損失を少なくすることができます。
・茹でる際は時間をかけずに、ささっと茹でる。
・水にさらす時間を短めにする。
・温めるときは、ボイルではなく電子レンジを使う。
また、葉酸と協力関係にあるビタミンB6やビタミンB12も一緒に摂りたいので、動物性の食品もしっかりと食べるようにしましょう!
各栄養素をバランス良く摂るための実生活でのコツ
それでは、これらの栄養素たちを実生活の中でバランス良く摂るには、どうすれば良いのでしょう??
普段の食生活の中で意識しておきたいことは、以下の4点です。
ご飯やパンなど主食(炭水化物)だけの食事は避ける
まず意識しておきたいことは、主食のみの食事はやめて「おかず」もしっかりと食べることが、バランスの良い食生活を送るための第一歩です。
そのため、トーストやコーヒーのみの朝食、麺類(カップラーメンなど)のみの昼食など、炭水化物ばかりの食事は避けるようにしましょう。
メインメニューは肉・魚・大豆製品をローテーションで食べる
「肉と魚はどちらが好き?」と聞かれたら、きっと多くの人が「肉の方が好き」と答えるのではないかと思います。
そのため、肉食がメインの食生活を送っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、メインとなる主菜が肉ばかりになってしまうと、うつ病の改善にも重要となるEPAやDHAが不足気味になってしまいます。
そのため、EPAやDHAが豊富な青魚もしっかりと食べるように意識しておきましょう。
また、動物性のタンパク質だけではなく、植物性のタンパク質も摂るようにしておくことも大切です。
なお、大豆製品(豆腐、高野豆腐、納豆、油揚げ、厚揚げなど)には、良質な植物性のタンパク質が豊富に含まれています。
これらをバランス良く摂取する場合、例えば毎日のメインディッシュに「肉料理⇒魚料理⇒豆料理⇒卵料理」といった、ローテーションを組んでみてはいかがでしょう?
副菜も用意して緑黄色野菜をしっかり食べる
野菜を食べる際、火を通すと栄養素が壊れてしまうことが多いので、できれば生で食べるのがベストです。
しかし、火を通さなければ食べられない野菜も沢山あります。
そんなときには、先ほどもお話ししたとおり加熱時間を短めにし、特に緑黄色野菜(ホウレン草、小松菜、ブロッコリーなど)を意識して摂るようにしましょう。
なぜかと言うと、緑黄色野菜には葉酸が豊富に含まれているからです。
そのため、主菜となるメインディッシュの隣にちょこっとお浸しなどを付け加えるなどの工夫をしてみましょう。
食後のデザートとしてフルーツを食べる
これまで何度もお伝えしてきましたが、葉酸は、調理(洗う、茹でる、煮る、炒めるなど)に弱い栄養素です。
ですが、フルーツであればそのまま生で食べることができるので、食後にデザートとして食べれば、葉酸などといった調理に弱いビタミンの損失を少なくして摂ることができます。
ただ、水洗いしてから食べる際には、栄養素の損失を極力減らすために、ささっと洗うようにしましょう。
まとめ
以上のとおり、今回は「栄養素の効果的な摂り方」についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
それでは今回は以上となりますが、次回は「外食時にしておきたい工夫」についてお話ししますね^^
最後までご購読いただきありがとうございました。