「脂肪酸」て名前だけ聞くとそのまま脂肪に変わってしまいそう……。
こんな風に考えている人は少なくないと思います。
でも、それは脂肪酸に対する大きな誤解。
もちろん、摂りすぎると体には悪影響を与えてしまう栄養素の一つでもあるのですが、脂肪酸が持つ本来の役割とはなんでしょう??
このページの目次
「脂肪酸」の役割は?
「脂肪酸」というのは「脂質」の材料の一つでもあるのですが、脂肪酸を大きく分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つのタイプがあり、それぞれ以下のような仕事をしています。
飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸の仲間で代表的なのが「パルミチン酸」です。
あまり聞き慣れない名前だとは思いますが、このパルミチン酸というのは、血液内の脂肪やコレステロールを増やす仕事をしています。
コレステロールについては「実はとても重要な仕事をしている栄養素「コレステロール」の役割」で詳しくご紹介しますが、簡単に一言で言うなら全身にある細胞を覆う膜の材料です。
そして「ちょっとの量だけで強力なエネルギーを生み出す栄養素「脂質」の役割」でもお話ししたとおり、脂肪自体は体のエネルギー源にもなっているので、実は生きていくためにはとても大切な栄養素です。
ただ、血液内のコレステロールや脂肪が余ると、体には悪栄養を与えてしまうので、摂りすぎには注意が必要です。
不飽和脂肪酸とは?
飽和脂肪酸の仲間で代表的なのが「オメガ6」と「オメガ3」です。
この2つは、コレステロールや脂肪が血液内で余って、血液がドロドロになってしまったときに助けてくれる役割を果たしています。
そして、血液内の余分なコレステロールや脂肪の量を減らして、ドロドロになった血液をサラサラにするために頑張っているのが、このオメガ6とオメガ3の仕事です。
「脂肪酸」が多く含まれる食品や食材は?
■飽和脂肪酸(パルミチン酸)を多く含む食品
肉の脂身
など
■不飽和脂肪酸(オメガ6、オメガ3)を多く含む食品
【オメガ6】
- 油類(ヒマワリ油、大豆油、ゴマ油など)
- くるみ
【オメガ3】
- 背中の青い魚(マグロ、サンマなど)
- 油類(しそ油、エゴマ油など)
など
「脂肪酸」が不足すると?
飽和脂肪酸であるパルミチン酸が不足すると、血管が弱くなって脳出血が起こってしまうこともあります。
また、不飽和脂肪酸であるオメガ6とオメガ3が不足すると、アレルギー症状が出やすくなったり、生活習慣病にかかりやすくなってしまいます。
そのため、いくらダイエット中だからと言っても全く摂らないのは健康的ではありません。
「脂肪酸」を摂りすぎると?
パルミチン酸を摂りすぎると、血液内の脂肪が多くなって血管を詰まらせてしまいます。
そのため、油を摂るなら不飽和脂肪酸である植物性の油や、魚類から摂った方が良いとよく言われていまます。
しかし、これ自体も立派な油なのでカロリーが高いことには変わらず、摂りすぎは肥満の原因にもなります。
「脂肪酸」の豆知識
脂肪酸を結びつける「グリセリン」
先ほどもお話ししたとおり、脂肪酸は脂質を作るための材料の一つで主な成分でもあります。
また、脂肪酸にはパルミチン酸、オメガ6、オメガ3の他にも沢山の種類があります。
そのしくみは沢山ある脂肪酸の内、パルミチン酸、オメガ6、オメガ3の3つの脂肪酸を「グリセリン」という物質がカプセルのような入れ物の役割をして結びつけています。
そして、こうしてできあがるのが「脂質」です。