別名『ハッピーホルモン』とも呼ばれる脳内物質で「セロトニン」というものがあります。
そして、その原料となっている栄養素が、必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」です。
このトリプトファンは、不眠症やうつ病の改善には欠かすことのできない重要な栄養素なのですが、それではどのような働きをしているのでしょう??
このページの目次
『セロトニン』の材料となる「トリプトファン」とは?
不眠症やうつ病を引き起こす原因として、現在最も有力視されているのが、「セロトニン不足」です。
そして、このセロトニンの直接的な原料となっているのが、「トリプトファン」という必須アミノ酸です。
トリプトファンは、肉・魚・乳製品・大豆製品などの良質なタンパク質食品や、バナナ・ナッツ類に豊富に含まれているのですが、体内では作ることができないので必須アミノ酸とされています。
そのため、セロトニン不足を解消するためには、これらの食品からしっかりとトリプトファンを摂ることが大切です。
トリプトファンを豊富に含む食品・食材

牛乳・乳製品
牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの食品からは、タンパク質やトリプトファンだけではなく、カルシウムも一緒に摂ることができます。

ナッツ類
アーモンド・クルミ・ピーナッツなどのナッツ類に含まれる脂質の多くは、良質な不飽和脂肪酸です。また、カルシウムや鉄分も豊富に含まれています。

大豆製品
豆乳・豆腐・納豆・油揚げなどの大豆製品には、良質な植物性のタンパク質が豊富に含まれています。その他にも、カルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルも豊富です。

赤身の魚
マグロやカツオなどの赤身魚からは、不飽和脂肪酸の一種である「EPA・DHA」も一緒に摂ることができます。

肉類
肉類は、タンパク質を摂るのに重要な食材です。また、牛肉には鉄分、豚肉にはビタミンB1、鶏肉にはビタミンAが豊富に含まれています。

ゴマ
ゴマは、栄養価が高くて不飽和脂肪酸が50%、タンパク質が20%を占めていると言われており、カルシウムも豊富に含んでいます。

バナナ
バナナは、トリプトファンとともにセロトニンの分泌を助けるビタミンB6も一緒に摂れます。また、「バナナ1本でご飯1膳分」とも言われているように、即エネルギーとなる炭水化物が豊富です。
トリプトファンが不眠症に効果的な理由
それでは、なぜトリプトファンが不眠症に良いとされているのでしょう??
結論から先に言うと、トリプトファンはセロトニンを経由して「メラトニン」という脳内物質に変化するからです。
このメラトニンは、『睡眠ホルモン』とも呼ばれており、脳内で分泌されることによってスムーズな眠りと起床のリズムを作り出しています。
また、セロトニンとメラトニンは、自律神経(交感神経・副交感神経)とも深い関わりを持っており、これらの働きと連動しながら分泌されます。
そのため、交感神経(興奮作用)が優位な日中はセロトニンが活発に分泌され、逆に副交感神経(リラックス作用)が優位な夜間はメラトニンが活発に分泌されています。
つまり、日中にセロトニンが分泌されて正しく機能すれば、夜間にはメラトニンの分泌が促進されるので、その原料となるトリプトファンは不眠症に良いとされているのですね^^
セロトニンは私たちの精神状態に大きな影響を与えている
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンと並ぶ「三大脳内伝達物質」の一つで、私たち人間の精神面に大きな影響を与えている脳内物質です。
また、冒頭でも触れましたが、セロトニンは別名『ハッピーホルモン』とも呼ばれているとおり、脳の興奮状態を落ち着かせて精神を安定させる作用を持っています。
このセロトニンが不足すると、不眠に陥ってしまうだけではなく、いつも心が落ち着かなかったり、常に不安や心配に追われているといった状態になりやすくなってしまうのです。
そのため、不眠症やうつ病になってしまう人の多くが「セロトニン不足」であると考えられています。
なお、うつ病の代表的な治療薬で「SSRI」がありますが、この抗うつ薬は、セロトニンの再取り込みを阻害(=ジャマ)することで、脳内のセロトニン量を増やそうとします。
トリプトファンを効果的に摂るにはLNAA濃度を下げる
それでは、トリプトファンを効果的に摂るためにはどうすれば良いのでしょうか?
先ほどもお話ししたとおり、トリプトファンは肉・魚・乳製品・大豆・バナナ・ナッツ類などに多く含まれています。
ですが、実はタンパク質食品の中には、トリプトファン以外にも沢山のアミノ酸が含まれているため、お互いに競合してしまうアミノ酸もあります。
その中でも特に競合しやすいのが、「LNAA(BCAA)」と呼ばれる以下の6種類のアミノ酸です。
・イソロイシン
・ロイシン
・バリン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・チロシン
つまり、トリプトファンをより効果的に摂るためには、これらの競合するアミノ酸濃度(LNAA濃度)を下げて、逆にトリプトファン濃度を上げれば良いのですね。
それでは、「LNAA濃度を下げてトリプトファン濃度を上げる」には、どうすれば良いのでしょう??
以下の2点が効果的であるとされています。
炭水化物を一緒に摂ってインスリンの分泌を高める
炭水化物を摂取すると、膵臓(すいぞう)からのインスリンの分泌が高まるのですが、実はインスリンは、トリプトファンと競合するLNAAを骨格筋に取り込ませるようにも働いています。
つまり、トリプトファンを摂取する際には炭水化物も一緒に摂ることによって、骨格筋に取り込まれなかったトリプトファンの血中濃度が高くなる。
そして、その結果としてトリプトファンの量が増えるということなのですね。
なお、インスリンはBCAAの骨格筋への取り込みを促進しますが、トリプトファンには影響しないと考えられています。
運動をしてLNAAの骨格筋への取り込みを増やす
運動をすると、トリプトファンと競合するLNAAの骨格筋への取り込みを増やすことができます。
そのため、上記と同様に結果として血中のトリプトファン量をアップさせることができます。
まとめ
以上のとおり、今回はトリプトファンが持つ不眠症への効果についてお話ししましたが、うつ病の人も睡眠障害を併発しやすくなります。
そのため、セロトニンやメラトニンの原料となるトリプトファンは、不眠症やうつ病を改善させるための重要な栄養素の一つとされています。
また、トリプトファンは色々な食材に含まれている栄養素なのですが、1日に必要な量のトリプトファンを摂ろうと思うと、一度に沢山の食品を食べなければいけません。
ですが、そんな時にはトリプトファンが含まれる不眠サプリを利用すれば、一度に様々な成分も一緒に摂れるので便利です^^
それでは、今回は以上となりますが、次回は「うつ病と葉酸の関係」についてお話ししますね。
最後までご購読いただきありがとうございました。
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