隣で寝ている奥さんや旦那さん、パートナーなどから「寝ているときに息していないよ?」と指摘されたことはありませんか?
もし、そのような症状が出ている場合「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」である可能性があります。
それではこの「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」とはどのような睡眠障害なのでしょう??
このページの目次
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」とは?
睡眠中に呼吸が止まって「無呼吸」状態になったり睡眠中の1回分の呼吸量が減って「低呼吸」状態になったりする。
このようにな症状で睡眠が障害される病気のことを「睡眠時無呼吸症候群(すいみんじ むこきゅう しょうこうぐん)」と言います。
「眠くて起きていることができない!過眠症に見られる4つの特徴」でもお伝えしましたが、この病気は、2003年2月26日に起きた山陽新幹線の居眠りによるオーバーラン事故でも有名になったので名前だけでも聞いたことがある方は少なくないと思います。
睡眠時無呼吸症候群の人は睡眠の質は下がっていますが、その多くが自分が睡眠不足であることを認識していません。
そのため、上記の例のように乗り物の運転中や日中の仕事中など、気付かないうちに居眠りをしてしまうことが問題となっています。
また、日本国内の調査によると、「睡眠中に無呼吸や低呼吸の症状があって日中に強い眠気を訴えている人」は、男性3.3%、女性0.5%であり、国民全体では1.7%という調査結果があます。
割合で見ると、正直あまりピンとくるような数字ではありませんが、人数で見てみると約200万人にも推定することができるため、決して少ない数字ではないことがわかります。
また、性別では女性よりも男性の方が3~5倍も睡眠時無呼吸症候群になりやすいと言われており、しかも軽症よりも重症になるほど男女比が拡がるようです。
なお、年齢では男性の半数以上が40~50歳代で、女性では閉経後に急増するのが特徴です。
そのため、隣で寝ているご主人(または奥さん)が、睡眠中に急に息を止めてしまい「死んでしまったのっ!?」と慌てていたら、また大きなイビキをかいて呼吸をし出したので、一瞬「ヒヤッ!」とした経験がある方も少なくないと思います。
スポンサーリンク 保険適用だから負担が少ない♪⇒いびき治療なら実績信頼の銀座コレージュ!
睡眠時無呼吸症候群の主な要因は「肥満」
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の特に深いノンレム睡眠中に気道が閉塞(へいそく)することが原因であるとされています。
そして、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める大きな要因は「肥満」です。
その理由は、肥満があると「口咽頭壁(こういんとうへき)」という部分に脂肪がたまりやすくなって気道が狭くなり、睡眠中に上手く呼吸ができなくなるためです。
その結果、呼吸が止まってしまったり、1回分の呼吸量が減ってしまいます。
■咽頭
咽頭(いんとう、Pharynx)は、脊索動物門固有の器官で、消化管の前部で口腔と食道の中間にあり、胚の時期には、両側壁にいくつかの咽頭嚢が前後に並んで発生する部分のことである。咽頭と食道または喉頭の境界は第6頸椎である。

【口咽頭壁の脂肪がたまるところのイメージ】
しかし、肥満ではない「痩せ型」体型の人であっても、睡眠時無呼吸症候群は起こりえます。
日本人の場合は、欧米人などの白人に比べると痩せ型体型の人が多くいます。
ですが、骨格や上気道の形状などが原因で起こるタイプの睡眠時無呼吸症候群の割合が白人よりも多いと言われています。
そのため「自分は痩せているから大丈夫だ!」と安心できないのが、睡眠時無呼吸症候群の怖いところです。
睡眠時無呼吸症候群には3つのタイプがある
睡眠中、正常に呼吸ができている人の場合は、常に気道が確保されています。
また、呼吸をするために必要となる脳(呼吸中枢)から出る、筋肉への命令も問題なく届いているので、安定した睡眠をとることができます。
しかし、上記でお話ししたとおり、気道が塞がってしまうと睡眠中に呼吸が止まってしまったり、1回分の呼吸量が減ってしまうため、睡眠の質が低下してしまいます。
また、睡眠時無呼吸症候群の主な要因は「肥満」であるとお話ししましたが、厳密に見てみるとこの病気には「閉塞型」、「中枢型、「混合型」の3つのタイプがあり、それぞれ以下の特徴があります。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
鼻や口から肺に空気を送るための通り道になる気道が塞がったり、狭くなったりして一時的に呼吸ができなくなってしまうタイプ。
中枢性睡眠時無呼吸症候群
脳の「呼吸中枢」の働きが悪くなり、呼吸をするための命令が筋肉に届かなくなって、呼吸ができなくなってしまうタイプ。
混合型睡眠時無呼吸症候群
1回の無呼吸発作の中で、中枢型が起こった後、閉塞型が引き続いて起こるタイプ。
まとめ
睡眠中にこれらの症状があると、睡眠が浅くなったり、中途覚醒が起こったりするため、深い睡眠をとることができなくなります。
そのため、翌朝はスッキリと起きることができないので、日中に強い眠気を感じて集中力や効率が低下し、パフォーマンスも落ちてしまうのです。
その結果、最悪の場合には、大きな事故を引き起こしてしまう原因にもなってしまいます。
今回は睡眠時無呼吸症候群について、代表的な症例をザックリと説明しましたが、それでは、「閉塞型」と「中枢型」の症状は具体的にはどのような違いがあるのでしょう??
これについては、次回のページで詳しくお話ししますね^^
それでは、今回は以上となります。
最後までご購読いただきありがとうございました。