「そもそも「睡眠」ってどんな状態なの?医学的な定義は?」でもお伝えしたましたが、睡眠は私たち人間を含めて高等脊椎動物(ザックリ言うと「背骨」を持つ動物)に共通して起こる生理現象です。
ですが、睡眠のとり方は動物によって様々で生きている環境によっても変わってきます。
例えば、日本で暮らしている私たちが夜眠りに就くときは、特別な場合を除いて安全がほぼ確保されている中で眠ることができるので、安心して朝を迎えることができますよね^^
でも、それを野生環境で棲む動物に置き換えてみたらどうでしょうか??
と、いうことで、今回は野生で生きる動物の睡眠について探っていきますね^^
「弱肉強食」の立場によって変わる睡眠のとり方
野生環境で生きる動物(特に「弱肉強食」の「弱」の立場にいる動物)には、人間のように安全が確保されているわけではありません。
なので、安心して眠りに就くことはハッキリ言って難しいですよね。
寝ている間に外敵から襲われたりでもしたら、まず助からないでしょうからね><
そのため、睡眠方法や睡眠時間はその動物がおかれている立場によっても様々です。
例えば、ライオンなどの「捕食する」側の強い立場にいるような肉食動物は、外敵に襲われる心配が少ないため、1日平均18~20時間眠っていると言われています。
逆にシマウマなどの「捕食される」側の弱い立場にいるような草食動物は、常に外敵に襲われるリスクが高いため、1日平均3時間以下しか睡眠を取りません。
また、体の大きい草食動物は食事に必要な時間が長いため、睡眠時間が短くなる傾向があります。
イルカは泳ぎながら鳥は飛びながら眠る器用な動物
ご存知のとおり、イルカは海の生き物ですが、魚類ではなく哺乳類動物なのでこまめに水面に上がって呼吸をしなければ窒息してしまいますよね。
また、泳ぎ疲れたからと言ってウッカリ“うたた寝”なんてしてしまったら、呼吸ができなくなってしまうのでそのまま永眠してしまいます。
それでは、イルカは普段どうやって睡眠をとっているのでしょう??
結論を先に言うと、実はイルカは泳ぎながら眠ることができるのです。
「泳ぎながら眠る」なんて、とても器用で不思議なことでもありますが、イルカは特殊な睡眠のとり方をします。
その特殊な睡眠方法とは、片目を閉じながら脳の片側を寝かせるという方法です。
例えば、右の脳が眠っている状態にあるときは左目を閉じ、逆に左の脳が眠っている状態にあるときは右目を閉じます。
そのため、左右の脳を交互に半分ずつ眠らせることによって、イルカは泳ぎながらでも眠ることができるようになります。
つまり「半分寝て半分起きている」ということですね。
このような特殊な睡眠のとり方を「半球睡眠(はんきゅう すいみん)」と呼びます。
また、長期的に飛び続けなければいけない渡り鳥も、半球睡眠をすると考えられており、脳が交互に眠ることで飛びながら眠ることができます。
種類によっては、飛んでいるところを急降下して、再度上昇することを繰り返すことがあるようですが、この急降下するときに睡眠をとっていると考えられています。
ちなみに、マッコウクジラは寝ているときに溺れることを防ぐため、垂直に近いカタチに身体を立てて鼻先を海上に出して眠るようです。
まとめ
以上のとおり、野生で暮らす動物は、自分の生きる環境に応じて様々な方法で睡眠を取ります。
野生動物は外敵に襲われるリスクの高い環境で暮らしているのにも関わらず、それでも睡眠を必要とするということは、私たち人間に限らず様々な動物にとっても、睡眠自体がそれだけ重要な生理現象の一つであることがわかりますね^^
それでは今回は以上となりますが、次のページでは良質な睡眠をとるために「必要な睡眠時間」についてお話ししますね^^
最後までご購読いただきありがとうございました。