食べ物の「塩味」の元となっている栄養素と言えば「ナトリウム」ですよね。
対して、そのナトリウムの量を調整しているのが「カリウム」というミネラルです。
これら2つのミネラルは、常にセットになって私たちの体の中の水分量を調節しているのですが、どちらか1つでも欠けてしまうと、大変なことになってしまいます。
それでは、このナトリウムとカリウムという2つのミネラルは、どのような役割を果たしているのでしょう??
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「ナトリウム」、「カリウム」の役割は?
冒頭でもお話ししたとおり、「ナトリウム」と「カリウム」の第一の仕事は、セットになって体の中の水分量を調節することです。
例えば、しょっぱい食べ物を食べすぎると、体がむくんでしまいますよね。
これは体内でナトリウムが増えたことによって、余分な水分が増えたからです。
そして、それを元通りにするのが、カリウムの仕事。
つまり、ナトリウムとカリウムが互いに協力し合って、体の中の水分量をベストなバランスに保ちつつ、同時に血圧も調整しているのですね。
また、カリウムはナトリウムが増えすぎないように調整する以外にも、エネルギー作りのサポートもしています。
ナトリウムは「pH」の調節もしている
ナトリウムは、体の中の水分量を調整しているほか、「pH(ピーエイチ)」の調節もしています。
pHというのは、体の中の水分の性質がアルカリ性と酸性のどちらかに傾いているかを示す単位のこと。
私たちの体というのは基本的に弱アルカリ性なのですが、逆に強い酸性に傾くと呼吸困難になってしまいます。
つまり、ナトリウムというのは、これを細かく調整してくれているというわけなのですね^^
「ナトリウム」、「カリウム」が多く含まれる食品や食材は?
■ナトリウムを多く含む食品
- 食塩
- 味噌
- 醤油
- 梅干し
など
■カリウムを多く含む食品
- ホウレン草
- アボカド
- イモ類(サトイモ、ジャガイモ、など)
- 大豆、大豆製品(納豆など)
- 海藻類(ひじき、コンブなど)
など
「ナトリウム」、「カリウム」が不足すると?
ナトリウムとカリウムが不足すると、それぞれ以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
ナトリウムが不足
ナトリウムが不足すると、体内の水分量の調整ができなくなるので、血液の量などが減り、全身に栄養や酸素が行き届かなくなります。
そうなってしまうと、元気がなくなったりダルさや食欲の低下が起こったりしてしまいます。
カリウムが不足
カリウムが足りなくなると、エネルギー作りが上手にできず、脱力感が起こったりする原因になります。
「ナトリウム」、「カリウム」を摂りすぎると?
ナトリウムの摂りすぎ
塩(ナトリウム)は、ほぼ全ての料理に使われている調味料なので、ついつい摂りすぎてしまいがちです。
そのため、塩分の摂りすぎが問題になっているのですが、体の中でナトリウムが増えすぎると、高血圧や胃ガン、心疾患(しん しっかん)などの病気になりやすくなってしまいます。
カリウムの摂りすぎ
それに対し、カリウムの場合は摂りすぎの心配はあまりないのですが、腎臓が弱い人の場合は、不整脈や嘔吐(おうと)、下痢などを起こすこともあるので注意が必要です。
「ナトリウム」、「カリウム」の豆知識
ナトリウム‐カリウムポンプ?
「ナトリウム‐カリウムポンプ」というのは、細胞内にあるナトリウムの量を一定に保つ機能のこと。
実は、細胞の外の水にはナトリウム、中の水にはカリウムが多くいます。
そして、細胞の中のナトリウムが増えると外にいたカリウムが中に入り、体のエネルギーを使ってナトリウムを外へ追い出す作業をしているということです。
このようにして、ナトリウムとカリウムはお互いにバランスを取って、細胞がキチンと活動できるように働いているのですね^^